ステップ2 KPIの設定

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KPIとは?

KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標と呼ばれます。KGIに影響がある、つまり構成する要素がKPIになります。KGIがゴールであるのに対して、KPIはそのプロセスということになります。

とは言え、KGI、KPI共に設定後は、どちらも目標値に向けて業務に勤しむことになりますので、広い意味でどちらも「事業の達成目標」と捉えて相違ありません。

KGIを会社レベル、部署レベルで設定した後は、KPIを設定します。KGIは、月次が適当な頻度であるのに対して、KPIは3日程度が望ましいでしょう。


KPIを設定する目的

KPIは、なぜ設定する必要があるのでしょうか?なぜKGIだけではだめなのでしょうか?

これは、問題を切り分けるためです。例えばKGIが

1ヶ月以内にサイトの問い合わせ数を30個獲得する

であった場合を考えてみます。月の中旬の達成具合が6件、20%程度であった場合には、このままですと月末には達成しないことが予想されるので、対策を講じる必要がある、ということになります。しかしここで、KGIだけしかモニタリングしていなければ、どこにその原因があるのがわかりません。よって何を改善したらよいのかわからない、ということになってしまいます。

これに対してKGIに影響のあるKPIを定義し、データをモニタリングしていると、どうでしょうか?恐らくサイトの問い合わせに至るまでのどこかで、コンバージョンレートの著しく低い部分が存在するはずです。後はその部分のコンバージョンレートが高まるよう、改善を行っていくことによりKGIの達成値も高めていくことが可能になります。


KPIの設定方法

それでは、KPIの設定はどのように進めればよいのでしょうか?これは、

  1. KGIをプロセスに分解する

  2. 分解したプロセスにKPIを設定する

として進めます。順に見てゆきましょう。

1. KGIをプロセスに分解する

ビジネスは基本的には、複数のプロセスから成り立っています。よってそのプロセスの一つ一つをKPIにするのが、最も進めやすい方法であるといえるでしょう。先程は問い合わせ数をKGIの例として上げましたが、今度は

1ヶ月間で無料ユーザーを100人獲得する

であった場合を考えてみましょう。この場合、ユーザーが進めるプロセスは、

  1. サービスサイトの訪問

  2. サービスについて理解

  3. アカウント登録ページの訪問

  4. アカウントの登録

ということになります。図で見てみると、以下の様になります。

KGIをプロセスに分解する際には、

適切なプロセスをデザインすること

が重要です。例えばプロセスのうちの2個目、「サービスについての理解」のプロセスが抜け落ちていたとしましょう。 そうするとプロセスは以下のようになります。

この場合、元来のプロセスの2個目から3個目、つまりサービスの理解が不十分なユーザーが登録せずに離脱していた、と言う現象が頻繁に発生していたとしても、そもそもプロセスとして定義されていないため、数値を出すことも出来ず、故に改善することが出来ません。見当違いの施策を繰り返してしまうことになるでしょう。ユーザーの行動を意識しながら、適切なプロセスをデザインすることが重要です。

2. KPIを設定する

プロセスが定義できたら、次はKPIを設定します。プロセスの中でも、以下をKPIとするのが良いでしょう。

  1. プロセスの一番初めの絶対数

  2. その後のプロセス間のコンバージョンレート

先程のプロセスにこれをあてはめると、以下のようになります。

この様にKPIを選ぶのは、以下のような理由からです。

  1. 改善の効果としては、コンバージョンレートの方がより直感的である。

  2. プロセス間の比較が可能になり、特に注力するKPIが見つけやすくなる。

  3. プロセスの一番初めの部分は、レートでなくて絶対数でも、直感的に捉えることが出来る。

1,2点目のように、改善に伴い、プロセスの2点目以降で訪問数などの絶対数が上がったとしても、それがどの程度改善されたのか、なかなか直感的ではありません。しかしコンバージョンレートをKPIにすると、数値として0%から100%の値で標準化されるため、より直感的になります。また、標準化されているために、プロセス間の比較ができるようになり、著しく低く、注力すべきポイントを見つけ出すことも可能になります。

3点目は、弊社でのコンサルティング経験に基づくものなのですが、大抵は、プロセスの一番初めの部分については、絶対数であっても、直感的なイメージを持っています。なので、ここだけは絶対数ベースでのKPIとしても問題ありません。

 

その他KPIを設定する際に気をつけることとして以下の様なことがあります。

  1. KGIに影響のあるKPIを選ぶこと

  2. ToDoはKPIにはしない

1点目の「KGIに影響のあるKPIを選ぶこと」ですが、KGIに関係のないKPIを設定してしまうと、その後その不適切なKPIに対して行動してしまうことになります。このようなKPIに対していくら努力をしてKPI自体が達成出来たとしても、KGIの達成には全く結びつきません。影響のあるKPIを選びましょう。

また、2点目にあるように、ToDoをKPIにしてはいけません。ToDoをKPIにしてしまうと、ビジネスとしての成長が無くても、KPIは達成できてしまうからです。努力ではなく、あくまでも結果をKPIにする必要があります。

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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