マーケティングのDX化で必要な5つの技術
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こんにちは。DX顧問サービスを運営しております、林です。KPI導入支援という業務柄、経営、マーケティングというものに関わることがあります。
今回はマーケティングというものについてお話してみたいと思います。私はマーケティング分野のスペシャリストではありません。そもそも一般的に使われるマーケティングという言葉が具体的に何を指すのか、はっきりとはわかっていません。定義が広すぎて、抽象的すぎます。
マーケティングは、広義で言えば、顧客向けの活動すべてを表しますし、狭義で言えば、顧客向けのアピールの戦略に値するものもあり、いささか範囲が広すぎる印象を持っています。
とはいいつつも、マーケティング領域におけるDX化御支援をすることはあります。
そしてどのような定義であれ、オンラインでの集客はマーケティングに含まれるはずです。そして、集客としてのマーケティングにはテクノロジーを理解が近年必要だと思います。
このようなDX化に対するパラダイムシフトはマーケティングは然りですが、どの職種でも起こっていると思います。以前は上流に戦略があり、その下流にテクノロジーがありました。今はそうではありません。テクノロジーと戦略が対等関係にあり、この両方を行ったり来たりする必要があるわけです。
テクノロジーに対する知識なしに戦略を考えることは出来なくなって来ているわけです。
ではどうやったらマーケティングの部署で、技術を背景にした業務の推進が出来るのか?
というと、一つにはマーケティング担当の方を育成して頂くことではないかと思います。DX人材、ということですね。もう一つは、マーケティングの部署内に、エンジニアを配属することではないかと思います。そして従前のマーケティングのお仕事をされている方とチームを組み、推進してゆくということです。
そういう意味ではマーケティングに従事されている方も、テクノロジーに対する基礎的な知識は必要だと思います。わたしが普段、事業を進める中で、マーケティングではこういう技術を持っていた方が良いな、というのを5つまとめてみましたので、御参考頂ければと思います。
その5つの技術とは、
集める技術
保存する技術
連携する技術
加工する技術
可視化する技術
です。
あまり抽象的な表現を使わず、なるべくわかりやすいように説明することを心掛けました。すでにご存知の項目は読み飛ばして頂ければと思います。
集める技術
API
まず最初にAPIです。以前はSaaSは、サービス単体で閉じられていることが多かったのですが,Twitter/Facebook等のSNSサービスの普及と共にこれらSNSのデータがAPIで提供されるようになったことがAPIの普及のきっかけだったと記憶しています(間違っていたらすいません)。
今では実に多くのSaaSでAPIが実装されています。
APIは専用の画面はなく、文字列ベースでの通信です。画面があるサービスではないので、それだけで嫌悪感を示す人もいるかも知れませんが心配いりません。実際に使う前には、そのAPIをテスト実行するのですが、この段階では画面を利用して確認します。専門のツールがあります。postmanというのが有名です。
出典: postman. URLはこちら
わたしは、使いやすいので、Talend API testerというものを使っています。APIをTalend API testerで実際に実行して見るとどうなるでしょうか。画面がこれです。
これで、このように、画面を使って送信する情報(設定情報)と返ってくる情報(応答結果)を確認するのです。実際には文字だけの通信なのですが、これで画面付きで確認できます。全然難しくないですよね。エンジニアも最初はこうやって画面付きで確認してから、プログラミングコードに組み込む方が多いと思います。
マーケティングはデータをよく触れる仕事です。なので、どこかからデータを集めてくる必要性に駆られることが多いと思います。このAPIの理解があれば、アイデアを推し進められます。画面を持つサービスでAPIを実行してみて、インプットとアウトプットを確認すると、腹落ちするでしょう。「APIが、APIが、・・・」と言われてわからなかった方がいたら、是非この方法を試してみて下さい。
ただ注意も必要で、APIは海外のサービスや日本の新しめのサービスでは、多く実装されています。一方、日本の古典的なサービスや、専門業種向けのSaaSの場合は実装されていないことが多いです。その場合には、次の方法を検討する必要があります。
ウェブスクレイピングの手法や最新の技術
上でも触れたように、日本の古典的なサービスや、専門業種向けのSaaSの場合はAPIが用意されていないことがあります。ただそんな場合でも、別の方法で連携を行ってくれる場合がありますので、ヘルプドキュメントを参照されるか、SaaS供給元の会社に問い合わせをしてみる必要があります。
別の方法もなかった、となると、残された方法はスクレイピングになります。スクレイピングは、人間の代わりにウェブサイトを読み込んで、必要なデータだけ抽出する技術です。これがあれば、APIがなくてもマーケティングデータを取得することが出来ます。
これには、いくつかツールが有るのですが、Octparseや、zyteというものがあります。
出典: Octparse. URLはこちら。
出典: Zyte. URLはこちら
Octparseであれば、エンジニアでなくても取得が簡単にできると思います。また作ったスクレイピングのプログラム自体をこれらサービス上に置いておくことも出来ます。そうすればPCを用意する必要もありません。
この方法であれば、基本的には取得できないものはほとんどない、と言っても良いと思います。ただ、サービスの供給元の利用規約でスクレイピングが禁止されている場合には、この手法は取れないので、気をつけて下さいね。
保存する技術
取得したデータは保存しないといけません。実際に御支援させて頂く中で「エクセルで保存されているデータを連携したいんです」的なお話を頂くことは多々あります。ところがそのエクセルシートを見てみると、いわゆるデータベースの様な表形式になっていないことが多いです。
データとして連携したいのであれば、表形式にしておく必要があります。人間に見やすいフォーマットではなく、見にくくても1行目に列名があって、2行目以降にデータが存在する形式ですね。
この形式にしておけば、この後何をするにしても連携がしやすくなるので、表形式での保存をオススメします。データベースの初歩的なことだけ理解してお
データベースとは何たるかは、検索して頂ければすぐに出てくるかと思いますので割愛します。
連携する技術
「取得」したデータは、マーケティングの実務では基本的にそこで終わらず、データ間での連携や、他のSaaSへの「投入」が必要になると思います。一旦こちらのSaaSで取得して、こちらのSaaSに流したい、というような感じです。
この連携は比較的新しい領域であり、かつ大切な領域かと思います。一点目の「取得」に関しては、Googleスプレッドシートが使えます。Googleスプレッドシートとエクセルの違いは、バッチ処理といって、定期的に何らかの処理を実行することが出来る所です。
エクセルで同じことをやりたければ、PCの電源を常に入れておき、タスクスケジューラーというものを設定しなくてはいけません。その点Googleスプレッドシートはサーバーにファイルがありますので、PCを立ち上げておく必要はありません。データを定期的に、まるでサーバーのように取得・更新が出来ます。
そして、APIを利用してデータを取得する際には、サブクエリといって、何回もAPIを実行しないといけないことがあります。こうなるとプログラム開発が必要になります。
ところがこれも実は現在は不要で、supermetricsというサービスがあります。これで開発無しで何回もAPIを実行するのを代行してくれます。超スグレモノです。
出典: supermetrics. URLはこちら
「取得」したデータは、次に他のSaaSに「投入」する必要があると思います。こちらに関しても、開発無しで進められる場合がよくあります。投入先のSaaSによりけりで、あくまでもケースバイケースなのですが,
Googleスプレッドシートを読み込んでくれる場合
連携先のSaaSにAPIが用意されている場合
が多いです。1は説明不要だと思うのですが、2に関しては、APIを実行することで連携が可能です。こちらに関しても、開発なしに進めることが出来ます。あんまり話すとネタバレしちゃうので御興味ある方は是非お問い合わせ下さい笑
Googleスプレッドシートを利用した連携はあくまでも一例です。ケースバイケースで工夫することが多いです。そもそもGoogleスプレッドシートを利用する必要なく他ツールと連携できることも多々あります。他ツールへのデータ投入も、開発無しで進められることも多々あります。
加工する技術
集めたデータを加工しないといけない時もよくあります。弊社ではこういった場合Pythonを使います。これまでの経験だと、コードの行数は数十行程度の小さなもので十分なことが多いです。
問題はこれを、「なにかをきっかけ」に、大きなシステムなしに実行させることではないかと思います。
社内の基幹システムなどという訳ではないので、小さく動かすことが必要です。これにはいくつか方法があるのですが、アマゾンのラムダというものを使います。耳にされたことがあるかもしれません。ラムダは、サーバーを設置せずにプログラムを実行できる便利なツールです。
出典: Amazon. URLはこちら
予めラムダに数十行のプログラムコードを記述しておき、ディスクサービスであるS3にファイルが保存されたことをきっかけにラムダのプログラムを動かすようにするのです。データをラムダにて加工後、連携先のSaaSに投入したら良い、ということですね。
アマゾン以外にも、マイクロソフトにもデータファクトリーと言って類似したサービスがあります(データファクトリーを利用したわたしの実績についてはこちら)。
出典: Microsoft. URLはこちら
全体的な流れとしては、Googleスプレッドシートでデータが追記されたらアマゾンに送信し、ラムダにてデータ加工して、SaaSに投入、などのようなことです。一昔前は大規模なシステムでしか出来なかったようなことが、現在は(ラムダ内のコードを覗いて)開発無しで出来ます。マーケティングのDX化では、是非検討頂きたいと思います。何かすごい一つのツール、というわけではなく、小さなツールを沢山連携させてマーケティング施策に役立てる、ということができます。
可視化する技術
可視化にあたって重要な技術とは、抽出と表示に関する技術のことです。これらはデータベースに関する基本的な考え方を学んでおけば十分です。
一般的にはメトリクス, ディメンジョンズ, ウェアといったキーワードで抽出と表示がなされるますので、これらを知っておけば良いでしょう。逆に抽出と表示に対して考えがなれてくると、今度は「保存する技術」での表のデザインも改善できたりします。
最後に
マーケティングの専門家ではありませんが、逆に外野からみた重要な5つの技術について、説明しました。もしこの記事や他の記事が面白いと思って頂けたのなら、是非twitterもフォローして下さいね。
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