出来る社員に仕事が集中する状態は直ぐに対処しないと会社全体の生産性が下がりますよ

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どこの会社にも、すごく仕事ができる社員がいます。その社員がとても良く仕事ができるので、仕事が自ずと集まってくる、そしてその人はいつも終電に近く、忙しくしている、という状況、見たことありませんか?今回はこういう状況は、会社全体の生産性が下がることになるということについて書いていきたいと思います。


なぜその人に仕事が集まるのか?

なぜその人に仕事が集まるのか?これは「その人が仕事ができるから」というよりは、より正確に言うと

「その仕事を、会社が求める質や量の面でこなせる社員が他にいないから」

ということになると思います。

いくら難しい仕事であっても、他に出来る人がわんさといれば、その人に仕事が集中するはずがありません。需要と供給という面から考えて、供給不足、需要過剰になっていることが問題です。


じゃあなんで会社は需要過剰を解消しないのか

じゃあなんで会社は需要過剰を解消しないのか?つまりその人と同程度の質、あるいは量のアウトプットが出せる人を採用したら良いのです。そう思いませんか?ただ採用したら解決する話です。しかし、これ、解決しない事が多い。

なぜかっていうと、これは会社側の事情、つまり

  • 厳しすぎる解雇規制

  • 事業モデル

にあるのです。

まず解雇規制ですが、日本は、他国と違って雇うのは簡単ですが、解雇するのは極めて難しい。まぁ、ほぼ無理と言っても言い過ぎではないと思います。

雇ったはいいが、思いの外仕事ができなかった場合でも、解雇できないのです。なのでどうしても雇用には慎重になるのです。

これが1点目です。もうひとつは事業モデルです。

事業によっては、安定的なものとそうでないものがあります。例えば安定的なものとして、SaaSに代表されるようなサブスクリプションモデルがあります。これなら、年間契約している顧客が多いので、当期の売上の最低ラインが期初に確定できるわけです。しかも期中にも新規顧客の契約による積み上げがある。こうなってくるとコストの計画が立てやすくなるので、人を雇いやすくなるわけです。

一方安定的でないものの代表は、受託開発をメインの柱にしている企業です。受託開発で安定的に売上を上げるのは極めて難しい。売上の上下が激しい事業なのです。こういった事業の場合、人を雇いにくいのです。

人を雇ったら解決なわけですが、雇えない会社の事情があるわけです。まぁそれを踏まえて社員の立場から言わせて頂くわけですが

知らんがな!!


です。事業のリスクは事業のリスクで、それを踏まえて、社員に健康的な働き方をしてもらうのが会社なわけです。つまり、事業でリスクが大きいから、社員に不健康な働き方をしているというのはつまり

事業のリスクを社員に転嫁している

わけです。

事業のリスクを追うのはあくまでも経営者です。そのリスクを社員に負わせるのは完全にブラック企業と言わざるを得いません。モラルが低いです。

リスクを低い事業をするのもリスクを高い事業をするのも、はっきりいって経営者の勝手です。それ自体には何ら問題ありません。好きにしたら良いと思います。ただ、そのリスクを負うのは経営者側であって、リスクを社員に転嫁してはいけません。

というか逆に、そういう方法でしかリスクの高い事業を運営出来ないのであれば、とっととその事業から撤退して、リスクの低い事業に軸足を移すべきです。

事実弊社ヴィクセスでは、年間契約のサブスクリプション方式でのDX顧問サービスを事業の主軸としています。もちろん受託開発も喜んでお受けしますが、受託開発を事業の主軸とすると、事業としては不安定になってしまうのです。事業としての安定性は、遠巻きに顧客に提供するサービスの質と量の向上に影響してくるのです。


その人に生じる変化

さて、人を採用せずに会社がそのままその人に過重労働をさせるとどうなるか?まぁここからは想像にたやすい訳ですが、

  • 体か精神を壊す

  • 退職する

のどちらかでしょう。1点目は本当に悲しいことなので、避けたい所です。

そして会社の立場から見ても、仕事が出来る人に仕事が集中した結果過重労働が続き、そして上のどちらかの結末になってしまうということになると、会社としての生産性が大きく下がるわけです。なので会社としても大きな損失なわけです。

つまり、事業リスクを社員に転嫁することによって回避する様な、目先のリスクとは比べ物にならない、仕事のできる社員を失い、生産性が大きく下がるという中長期的に痛いリスクを負うことになるわけです。


生産性が下がる周りの社員

リスクはこれだけではありません。

  1. 出来る社員に仕事が集まる

  2. 過重労働になる

  3. 体、あるいは精神を壊す

という悲しすぎる一連の流れを見ていた他の社員が、果たしてスキルアップしようなんて思うでしょうか?

思う訳ありません。

どういう思考回路になるかというと、上昇志向の強い社員の場合には、「プライベートでスキルアップをして、ホワイトかつ給料が上がる企業に転職ができる準備をしておこう。一方今の職場では、自分のスキルアップを隠しておこう」となるわけです。

一方上昇志向の強くない社員の場合には、「スキルアップすると良いことなんにもないから、スキルアップしないようにしよう」となるわけです。

つまり、どちらにせよ会社にとっては生産性が低下する要因となってしまうわけです。しかも、仕事のできる社員も失ってるわけですから、もはや生産性低下のダブルパンチです。


会社が取るべき対処

ということで、出来る社員に仕事が集中する状態に対処しない会社は、その社員だけでなく周りの社員の生産性も低下させることになります。生産性の低下は、働いている人にも、日本にとっても悪影響です。生産性を向上させる様な施策をとってゆくべきです。

具体的に取るべき方法は、既に一部書きましたが、

  • 社員のスキルアップ支援に対してコストを割り当てて、出来る社員の仕事を他の社員に移管し、集中を緩和する

  • 事業モデルの変更

という所かな、と思います。事業モデルの変更は、とっても難しいものなので、1点目が良いのではないかと思います。

ただ、社員のスキルアップに対してコストを割り当てるということは、コストアップにつながることです。これに対して経営者側が懸念を示すということであれば、つまり現状と変わらず、ということになります。そうなるのであれば、解決は難しいかもしれません。

ただ、もともと会社と組織は、社員が無理をせず健康的に生産をするのがあるべき姿です。その状態から逸脱して事業を継続するのは、自然な形では無いと思います。

では!

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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