努力家の上司が部下に強制する自責思考はパワハラです
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これまで会社員時代、そして起業後会社運営時代と、様々に失敗してきました。その度にわたしは、その原因を周りの環境のせいにしてきました。つまり他責思考でした。他責ってなんだっていう人のために説明しておくと、周りや環境に責任がある、つまり自分が原因だと思わないってことです。逆に自分に責任があると考えることは、自責といいます。
話を戻しますが、以前わたしは他責思考でした。なので自分から自分を変えて行こうっていう発想にはならないのです。そうなれば、自己成長をすることもないわけですね。
ところが去年ぐらいから、全ての失敗は、自分に責任があるのでは?と考えるようになりました。これのきっかけは、
起業して10年目という節目を迎えたこと
twitterを始めたこと
です。
起業して10年たったこともあり、自然とこれまでの失敗を振り返るようになりました。スプレッドシートに、これまでの失敗をリストアップして、その原因を一つ一つ書いていく、というようなこともしました。
余談ですが、これはすごくオススメです。なぜならば成功に再現性はありませんが、失敗には再現性があるからです。もし自責思考でいくなら、是非取り組んでみて下さい。大きな発見があり、大きな学びに繋がります。
また、twitterには多くの経営者がいらっしゃり、自責でいこうと頻繁に仰っています。結果を残している経営者の多くは、自責思考なのではないかな、と思います。
自責思考は、大きく生産性を上げる場合あり
いざ自責思考でこれまでを振り返ってみると、今まで環境のせいだと思っていたことが、実は自分に責任があるのではないか?と思えることが沢山ありました。つまり反省の連続です。人との付き合いから、事業の取り組み方や方向性まで、全て自分に責任があると思えるような要素があったわけです。
視点を変えるだけでこうも得られる教訓が変わるものだと感動しました。自分の弱さも見えてくるようになったと思います。
私の場合この自責思考をベースとした振り返り後、生産性が大きく向上しました。失敗を環境のせいにせず、全て自分のせいにした場合、自分の行動原理を変えるべき改善点が導き出されるわけです。この改善点を実践することでほぼ確実に生産性を上げることが出来ます。生産性の質、量、あるいはこの両方の向上が出来るようになります。
また思わぬ副産物も得られました。一日は24時間しかないので、生産性を上げるために、「しないこと」を明確に決めるようになったんです。限られた時間のなかで生産量を上げるためには、優先度の低いものは諦めざるを得ません。「しないこと」を決められたのも、自責思考になって良かった点だと思っています。
自責思考を実践してみて、本当に良かったと思っています。
なので、上司であれば、社員に自責思考であるように促しましょう!これで社内の生産性を上げることが出来ます!
。。。。。
という話では今回はありません。むしろ自責思考であることによる弊害があります。自責思考であることの良さと同じぐらい、自責思考がもたらすマイナス面も考えておくべきだと思います。
自責思考を取り入れて良い人
自責思考は、過去起こった失敗は基本的に自分に原因がある、という前提で振り返りをします。自責思考を取り入れると良い人は
ストレス耐性が強い
成長志向が強い
という人です。
ストレス耐性が強い
今現在の自分となったのは、自分に原因がある、という前提に立って振り返りを行うことになります。そうすると、今の境遇や環境が芳しかったり、とても良い状況であるのならば全く問題ないのですが、逆に今の環境がかなり悪い場合には、ストレス耐性が必要になってきます。
そりゃそうです。今こんなにも環境が悪いのは自分のせいだなんて、認めるのは誰だって嫌です。しかもちょっと前まで環境のせいにしていたのに、それを自分のせいだとすぐに受け入れられるはずがありません。受け入れるにはある程度の時間がかかると思いますし、なによりもストレス耐性が無いと受け入れられません。
具体的には、自分の弱さや、不義理、打算的な面など、場合によっては自分の汚くて、見たくないような部分とも直面しなくてはいけない場合もあります。これを受け止めることの出来る精神的な強さが必要だと思います。
このように大きなストレスに耐えられるだけの精神的な強さが必要になると思います。
成長志向が強い
成長志向が強い人ならば、そのモチベーションの高さで、ストレス耐性が高くなくても、自分の過去の失敗を自分に原因があるとして受け入れられる可能性があると思います。どちらかというと成長志向がストレス耐性を生み出すようなイメージです。
強いストレス耐性と強い成長志向があれば、自責思考を取り入れても良いと思います。
自責思考を取り入れるべきではない人
反対に自責思考を取り入れるべきでない人というのは、どういう人か?
端的に言うと先ほどと逆の人、ということになるのですが、その根拠も含めて説明します。
ストレス耐性が低い
ストレス耐性が低い人は、自責思考にならない方が良いでしょう。それによって精神的に支障をきたす可能性があるからです。例えば良かれと思って善意を持って職場で行動した結果、何らかの失敗があったとします。この失敗が自分に原因があるとした場合、受け入れることができるかっていうと、なかなか難しいものがあると思います。しかも過去の失敗を列挙して、これらの多くが自分に原因があったと考えるなんてたまったもんじゃありませんよね。無気力になって寝込んでしまって、仕事に行くのが嫌になりそうです。
こういう人の場合、自責思考になると、良い影響はないでしょう。
成長志向が弱い
そもそも振り返りが必要なのは、自己成長が必要だと思っているからです。社員の中には、自己成長がそもそも不要と考える人もいるはずです。会社という組織は生産する集合体であって、自己成長することが必須なわけではありません。業務として求められている要件を満たして仕事をしている限り、自己成長なんてしなくてもよいはずです。
なにか世の中には、「成長が重要」という雰囲気が流れていますが、仕事に対するモチベーションは元来それぞれあっていいはずですからね。
もし業務を満足に行っているのに、自己成長までも職場に更に求められているとしたら、それは恐らく人事部が定形で作成している期初の目標シートのようなものに過ぎないはずであって、形骸化したものです。
要するにこの場合も、自責思考は必要ないと思います。
上司が自責思考を強制するのはパワハラ
上司は自分の属する部署の生産性を上げる責任を持っています。ただ生産性を上げるためには、社員に自責思考を強制したらよいのかっていうと、そうではありません。先程書いたように、自責思考を取り入れるべきかどうかは社員の適性によります。なので社員の性格によって、自責を促すべきかそうでないかを、切り替えていく必要があります。
ところが、自責思考を取り入れるべきではない人に自責思考を強制している上司もいるでしょう。特に、これまでの社会人経験で自分自身が自責思考で仕事をバリバリこなしてきた人にこそ多いんではないでしょうか?
わたしが会社勤めだったときにも、そういう人はいました。フロアでも目立たない存在だったその人(Aさん)は、あるとても仕事のできる上司のもとに異動になり、自責思考で大きく力をつけました。数年後、その人にも若い20代の部下ができました。ところがその若い社員は、Aさんの厳しすぎる対応に、精神的にまいってしまったのです。これから輝かしい未来があったのにもかかわらず、その未来を潰されてしまったのです。これは会社にとっても大損失ですし、なにより本人が可哀想ですし、Aさんの責任は重大です。
これは、Aさんが自責思考であること、そしてそれを部下に強制したことが原因だと思います。
「自分は精神的に強い」という認識があれば、「他人が皆そうではない」という理解が出来るので、自責思考の強制はしないはずで、こういう上司はまだマシです。
一方仕事のできる上司で「自分は優秀ではなく、努力でここまで頑張ってきた」と考えている上司の場合、「自分ができたのだから、人もできるはずだ」という思考回路に陥りがちです。そうなると、ストレス耐性の無い部下にも自責思考を強制してしまう、ということが発生する可能性があります。
ただ、これ、完全にパワハラですよ!自責思考を強制するような上司がいたら、とっとと人事部に相談するか、異動を申請するか、あるいは、転職するか、どれかを検討しましょう。それこそ上司に恵まれないことを自責する必要はありません笑 完全に上司に恵まれていないだけです。
逆に今この記事を読んでいる人で、こういう思考回路をしていて部下に自責思考を強制している人は、すぐに辞めるべきです!それこそ自責思考で、部下を苦しめているのは自分のせいだと認識して下さい。
まとめ
組織の生産性を上げるためには、DXがもたらす生産性と、社員のモチベーションやスキルなどがもたらす生産性の両面を考えていく必要があります。DX戦略は知識や思考によって推進することが出来ますが、社員のモチベーションやスキルはどうしても精神面でのケアが必要になると思います。自責思考を強制されて、精神的に苦しくなってしまっている方がもしいたら、思い悩む必要はありません。私の大好きな大前研一さんはこう仰っています。
人間が変わる方法は3つしか無い。
一番目は時間配分を変える。
二番目は住む場所を変える。
三番目は付き合う人を変える。
最も無意味なのは、「決意を新たにすることだ」と。
なるべく早くその上司から離れた方が良いと思います。野球でも、名プレイヤー名監督にあらず、と言われるのはこれのせいでしょうね。
では!