スキルアップできない職場の原因は上司にあり

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企業で働く社員の中には様々なタイプがいて、仕事を、お金を得るための対象としてしか見ていない人もいれば、少しでも楽しかったら良い、という方もいます。自己実現の場と捉えて頑張る方もいると思います。求められる業務要件を満たすだけのアウトプットを出せているのであれば、働く動機はなんでもよいはずです。なのでしっかり仕事をしているのであれば、お金がもらえるから、という動機でも何ら問題はありません。

ただ今回は、

今の職場にいてもスキルアップができない

と悩む、スキルアップにモチベーションの高い社員の方向けに書いてみます。

ちなみにわたしのこれまでの社会人経験からお話すると、給料が得られる対象としてのみ捉えている人よりも、スキルアップに対するモチベーションの高い人の方が、仕事自体にもモチベーションが高い事が多いように思います。ただこれは、もちろん、もらえる給料次第でも逆転はあり得るとは思います。


スキルアップできない職場が嫌なのは、なぜか?

ちなみにこういうタイプの人が、スキルアップできない仕事が嫌なのはなぜかというと、

  • 自分がその会社にいつまでもいようとは思っていない

  • 自分がその会社にいつまでもいられるとは思っていない

のどちらかだと思います。1点目はいずれ転職する可能性がある、というもので、2点目は会社から転職を促される可能性がある、ということです。共通しているのは

現状にビビっている

ということです。ビビっていると言ってもこれはとても良いことで、ビビっているからこそ未来をより良いものにするために、努力しようという発想になるのだと思います。だとすると、もしスキルアップできない仕事に就いて数年後、

  • 不満があり、転職したい

  • 早期退職プログラムなどで自己退職することをほのめかされた

という状況になり、いざ次の職場を探そうとすると「転職市場で価値がなく、転職できない」という状況に陥る、ということになってしまうわけです。そうならないためにも、常にスキルアップ出来る仕事を探しているわけです。

これが全ての理由とは思いませんが、理由の一つではあると思います。基本的に年齢が上がってゆくと転職しづらくなるので、そんな中スキル的に秀でたものがないと、更に転職しづらくなります。なので、20代、というよりはどちらかというと30代後半ぐらいから、スキルに対する焦りが顕著になってくるのではないかと思います。


なぜスキルが上がらない仕事になってしまうのか?

スキルアップをしたい社員にとって、スキルがつかない仕事というのは、楽しいものではないため、生産性の低下に直結します。生産性の低下は、社員の幸福度だけではなく、会社、あるいは日本にとっても大きな損失です。

なぜスキルが上がらない仕事をしなくてはいけないのか?言い換えると、なぜスキルが上がらない業務になってしまうのか?これには2つあると思います。


その1: 会社が社員のスキルアップに興味がないから

社風として、社員のスキルアップに興味がない会社の場合です。福利厚生や給料がある程度満足の行くものであっても、社員のスキルアップを大切に考えない会社があります。結局は社長の価値観ということになるとは思いますが、中小企業ならまだしも、多くの場合は大企業であったり、あるいは外資の日本支社であったりなどあったりするわけなので、会社が持っているスキルアップに対する考え方なんて、一社員が変えられるようなものではありません。

しかし少なくとも一つ言えることはスキルアップしたい社員にとって、こういう会社に属していることは、残念でしかないってことです。

でも実はこれ、スキルアップを大切に考えない会社の事情というものがあるんです。スキルが必要な仕事とは言い換えると、人の能力に依存する仕事であるということであり、会社運営上、欠員が出た場合に代替出来る人員を見つけるのが難しいため、リスクになりえるのです。

会社の運営上安全なのは、仕組み、つまり人以外の部分で業務が遂行できる状態になっていて、欠員が出た場合にも、すぐに代替要員が見つけられる状態です。

ただまぁそれはスキルアップしたい社員には関係のない事情であって、成長できない会社に惰性でいつづけることは大きなリスクです。


その2: 上司が部下のスキルアップに興味がないから

会社がスキルアップに興味がなくても、社員の所に業務が降りてくる前に、かならず上司がその業務の要件を確認しているはずです。ということは、本来、

上司がスキルアップにつながるような業務としてデザインすることが可能

なのです。業務要件がどうであれ、実際にそれをどのように行うか、ということは、上司の裁量で決めるのです。言い換えると、スキルアップ出来ない職場は、

上司がスキルアップできる仕事をデザインできていない

という可能性が高いのです。

わたしは会社勤めだった頃、恐らく皆さんと同じく、複数の上司の下で働きました。いつもいつも難しくて挑戦しがいのある仕事をわたしに振ってくれた上司は、その上司自身もスキルアップに興味があり、もっともっと仕事が面白くなるように工夫をしている人でした。こんな上司の下に、スキルアップへの意識が高い人がつくと、仕事へのモチベーションは高まります。そうなると、仕事が楽しくなるので、生産性が上がるのだと思います。

つまり、一義的には社員のスキルアップに興味がある会社かどうかと言うのが重要なわけですが、結局最終的に決め手となるのは、上司が「部下のスキルアップしたいモチベーション」を理解してくれて、思いやってくれるかどうかだと思います。

言い換えると、仕事に対する取り組み方を部下一人ひとりわかってあげた上で、スキルアップに興味がある社員には、業務をそのまま渡すのではなくて、挑戦しがいのある方法にデザインをし、渡すのだと思います。

要するに、スキルアップできる仕事かどうかは、上司の能力次第で決まってくるということです。


対処方法

では、上司が

  • 部下のスキルアップに興味が無い

  • 興味があるが、うまくデザインできないようだ

という場合にはどう対処したら良いのでしょうか?最終的に「転職」という選択を選ぶ前に、工夫できることがあるのかどうかを考えてみたいと思います。転職しなくて良いなら、しない方が良いのは明白ですから。


その1: 提案する

もし上司に提案することが許される職場なら、仕事でスキルアップ出来るように、業務の進め方を自ら提案してみることです。変な上司でなければ、少なくとも一旦考慮はしてくれるはずです。また、その時一緒に行ったほうが良いのは、

その提案で業務を行うことで、会社あるいは周りの人に恩恵が得られる要素があることを説明すること

が大切です。

なぜかというと「スキルアップができる」というのは、働く社員の立場からでは大切なことですが、同時に利己的な一面も持つからです。交渉では、利己的よりも、利他的な提案の方が、受け入れられやすいです。利他的な内容に仕上げて、上司に提案しましょう。


その2: はっきりと伝える

上司に業務の進め方を提案することが許されない職場の場合には、自分自身が「スキルアップに強いモチベーションがある」ということをはっきりと伝えましょう。これを伝えることで、スキルアップにつながらない業務ばかりさせていると、退職するのではないか?と思ってもらい、牽制することが出来ます。

牽制することができれば、上司自身がスキルアップにつながるように業務をデザインしてくれているか、あるいは「その1」の様に、提案を聞いてくれるようになる可能性があります。


その3: 更にその上の上司と話す

上司に提案しても、また自分はスキルアップに強いモチベーションがある、と話しても「ここはそういうことをする部署じゃない」と言われたりする場合もあります。わたしも実際に言われたことあります。

こういう場合に有効なのは、更にその上の上司と話すことです。企業にとっては退職されるのが最も怖いはずです。新しく人を採用するのは費用もかかりますし、なによりその人ができる社員かどうかの保証がありません。なおかつ一旦入社したら、解雇をするのは日本では相当難しいのです。つまり、ある程度譲歩をしてでも、今いる社員に在職してもらった方がリスクが少ないのです。なので、上の2点でもうまくいかなかったら、上司の上司に相談してみて下さい。

そして配置換えをしてもらって下さい。

ただ、配置換えされた先でも同じことが起こってしまったら、配置換えした意味がありませんので、しっかりとその上司の上司と、自分の悩んでいることについて、伝えることが大切です。

ここで気をつけなくてはいけないのは、普段から仕事をきちんと行い、周囲からの高い信頼を得ていることが前提であることです。

嫌な仕事を片っ端から放り投げたり、しっかりと最後までやり遂げたりしないような社員が、自分の権利を主張しても誰も聞き入れてくれません。ほっとかれるだけです。

また、上司を飛び越えるのは、基本的にビジネス上許されることではないので、このカードは在職中に1つ、あるいは2つぐらいしか持っていないと思って下さい。


その4: 転職

ここまで来てもうまく行かなければ、転職するしか無いと思います。スキルがつかないまま年齢がいってしまうと、転職できなくなります。なので、見切ったなら一日でも早いほうが良いと思います。

不満を抱えたまま、なんとなく居続けるのはよくありません。

思考停止と惰性は一番の悪です。自発的に行動していきましょう。

では!

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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