他社のリソースを粗末に扱うという考えについて

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仕事で大切なことはどれだけ時間をかけたかではなくて、どれだけ生産したかです。生産性が全てです。ただ1日座っているだけでは何も事業は進捗しません。進捗していないということは、生産していないということです。それは無価値です。

経済政策の専門家であるデービッド・アトキンソンさんは、日本の中小企業の課題は、生産性が低いことだ、と指摘されています。つまり日本復活のためには生産性を上げなくてはいけないということです。わたしもその考えには同意します。

生産性を上げるためには、DX等の仕組みづくりはもちろんですが、人間自身による生産性の向上ももちろん重要な要素のはずです。

しかし世の中には、残念ながら他社のリソースならば、粗末に扱ってもいいと考えている企業があったり担当者がいたりします。生産しなくては日本は良くならないのに、リソースを必要以上に無駄に浪費されてしまっては、業務、ひいては事業に悪影響を及ぼします。こういうことは絶対に避けないといけません。


具体的にどのようなことか?

他社のリソースを粗末に扱うとは、どういうことか?

そもそもリソースとは、人、モノ、カネ、とはよく言います。もちろん全部大事です。ただ、コレは組織としてみた場合のマクロ視点であって、ミクロ視点、つまり一人のビジネスパーソンに焦点を当ててみると、重要な概念として「時間」があります。これは会社勤めの人であろうが、会社を運営する経営者であろうが、同じく重要であると思います。

質×量で生産量は決まりますが、この文脈でいう量とは当然時間を意味します。そういう意味でいうと、持っている時間は誰でも24時間しかありません。

24時間の内、プライベートに割り当てる時間も必要ですし、今の時代、残業をしない方がよい風潮があることを考えると、仕事に割り当てられる時間というのは限られています。そもそもリソース管理の「管理」とは、リソースが無限にあれば、不要な概念です。無限ではなく限定的だからこそ管理が必要になるわけです。

イーロン・マスクは「週100時間働かなくてはいけない」と話していました。ということは週末土日も含めて1日約14時間働くことになります。多くの人は家族や趣味があるので、こんなことできません。そもそも日本では労働基準法違反です。

そして、ありえないことですが、もし例えば1日の時間が人によって違う、というようなことがあれば、理解もある程度は出来ます。例えば自分は24時間だけど、他人は1日200時間というのであれば、ある程度他人に甘える、ということもあり得るかも知れません。

でも実際には皆等しく1日は24時間しかないのです。ということは時間が自分にとって大切であれば、他人にとっても大切なリソースであることは、まぁ想像出来るはずなのです。

ならば他人のリソースも大切にしようと思うのが一般常識のある人のすることだと思うのですが、他社や他人の時間を使って自社の都合をつけようと考える人がいます。

ここで言っているのは、数分にも満たないレベルで質問をされるとか、そういったものではなくて、以下のようなものです。

  1. オンラインで済ませられるような打ち合わせを理由も明確にせず対面形式にして、来社させる

  2. 日程調整の段階で、調整可能な時間帯を提示しているにも関わらず、それ以外の日程を問答無用で指定してくる

  3. 導入検討しないが、サービスついて教えて欲しいので来社を依頼してくる

  4. 自社で似たような製品を考えており、参考にさせてほしいので来社して教えてほしい


これ、全て実際に私が経験したケースです。

1だけは、ケースによっては、今でも発生することは当然あります。すでに御支援させて頂いている顧客が、オンラインで議論しづらいと感じたため、や、提案している規模が相当に大きい場合など、仕方がない場面もあります。ここではこれらのようなケース以外でのケースを想定しています。

経営者はもちろん、社員さんにとっても「時間」は極めて大切な資産です。自分の時間はもちろんですが、他人の時間にも最大限の配慮をしなくてはいけません。無配慮で他人の時間を奪うようなことはしてはいけません。


なぜ他人のリソースを粗末に扱えるのか?

なぜ他人のリソースを粗末に扱えるのか、わたしなりの見解を書いておきます。

  1. そもそも時間というリソースが大切であるという認識がない

  2. 相手次第で、価値を勝手に判断している

  3. 想像力が欠如している


1点目はどういうことかというと、①そもそも自分の仕事自体にモチベーションがない、②長時間労働が常態化している、などの理由で時間というリソースが限定的で貴重だ、という発想が無いと考えているということです。こうなると他人の時間も大切だ、とは考えないのではないかということです。

2点目は、時間が大切であるということは認識しているものの、その価値を相手を見て、勝手に判断しているパターンです。どちらかというとこちらの方が根が深い問題かな、と思います。相手が誰かによって時間の価値を見積もっているわけです。低く見積もられた方はたまったもんじゃありません。相手次第で、他人の時間に対しての配慮を変えるのを見かけたら、その人はこれに該当するということです。

3点目は想像力の欠如です。自分にとって時間が大切と思っているかどうかにかかわらず、他社や他人にとって時間がどれほど大切か、ということを考える想像力がなければ、配慮すら出来ません。


どのような悪影響が出てくるのか?

このように他社のリソースを粗末に扱う人に自社が付き合ってしまうと、その分だけ生産量が減少します。これは事業に大きな悪影響を及ぼします。遠巻きに

既存のお客様への提供するものの質や量が低下し、迷惑をかけてしまう

のです。顧客の要求するレベルの質と量の支援が出来なければ、多大なる迷惑がかかってしまいますし、契約時に要求レベルを満たす支援をすると約束したことに対して、約束を破る行為にもなり得るのです。これは契約不履行であり、損害賠償の対象にもなり得ることです。何より顧客からの信頼を絶対に裏切ってはいけないというのはビジネスの基本中の基本です。

こうなると結果として顧客の離反につながる可能性があり、そうなればジリジリと自社を苦しめていくことになると思います。


どう対処してゆくべきか?

経験上、他人のリソースを大切に出来ない方というのは一定数いるイメージです。なので、通常社会生活を営んでいれば、ある程度の確率で遭遇します。遭遇の回避は現実的に難しいと言い切って良いと思います。

それでも、「お客様へ提供するものの質や量の低下」という困った事態が発生しないようにするためには、ガイドラインを持っておくしかないのではないかと思います。

結局自分のリソースを守れるのは自分しかいないので、距離を置くのが最も良い方法であると思います。

また、経験則ですが、こういった企業や人にわざわざ都合を合わせても、「努力をして都合をつけた」ことに対して一切感謝をしてくれません。合わすだけ丸々損です。

自分、あるいは自社のリソースを守るということは、既存顧客への支援の質と量の担保という観点で、必ず徹底しないといけない重要な要素です。顧客を第一に自社のリソース配分を考えることで、生産性の向上に繋がり、これが日本社会に貢献している、ということになるなのだと思います。

異論あればお気軽に!

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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