キャッシュレスで進む円離れ

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コロナで進んだキャッシュレス。今回はこのキャッシュレスがもたらす影響について、話してみたいと思います。

さて、日本ではキャッシュレス決済は、全体のうちどの程度を占めているのでしょうか?

出典:ニッセイ基礎研究所 記事はこちら

最近増えた、といっても、まだ30%に満たないレベルなんですね。もっと進んでいると思っていました。じゃあ、世界各国と比較するとどうなのか、を見てみました。それがこちら。

出典: 一般社団法人日本キャッシュレス化協会. サイトは@press. 記事はこちら

日本は他の国と比較すると、あまり進んでいませんね。驚きました。これは大きな問題ですね。恐らくがらっと変えるには、政府による、キャッシュレスの普及に向けたより大胆な政策が必要になるのだと思います。

一方話題は異なり、昨今日本円の弱さが問題視されるようになってきました。そして今日まさしく、日本円が約50年前の弱さに戻りつつある、というニュースも報道されました。記事はこちら

そして、記事中に出てくる下の図を見てみてください。なんと、「貿易・サービス収支」よりも「第一次所得収支」の方が大きくなっています。

出典: 日経. 記事はこちら

第一次所得収支とは、こちらをみると、

第一次所得収支:  対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。  (第一次所得収支の主な項目)  直接投資収益:親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払  証券投資収益:株式配当金及び債券利子の受取・支払  その他投資収益:貸付・借入、預金等に係る利子の受取・支払

となっています。つまり、投資からくる収支だったんですね。なんとびっくり、日本は「貿易立国」から「投資立国」になっていたんですね。上のグラフの黒字の殆どは投資からくる利益になっています。


生活では使えなかったドル

横道にそれましたが、ついに日本の円の弱さが無視できなくなってきました。ただ、10年ほど前は、それでも日本円で持っておくことにインセンティブがありました。

これはなぜか?

例えば銀行口座にて貯金をドルで保持していたとします。一方生活してゆくためには、生活費が必要です。

つまりドルを持っていても、そのドルを銀行の窓口で円に変えてもらう必要があります。ATMでは対応してくれません。そしてましてや、スーパーやコンビニでドルを受け取ってくれるはずもありません。かといってコーヒー一杯をコンビニで買い、クレジットカードを出すのも不思議な感じがします。

というわけで資産をドルで持つ、ということは、生活費では使わないような、到底引き出す必要がないお金に限られていたわけです。


キャッシュレスが進むとどうなるか

ところがキャッシュレスが進むとどうなるか?

紙幣や硬貨として持つ必要なくそのままスーパーマーケットなどで決済するわけです。ということは通貨が円であろうがドルであろうが、ユーザーのオペレーションは同じで済むようにすることができる、ということになります。もし口座の資産をドルで保有していても、銀行窓口での円転など、特別に面倒なことをしなくて済むわけです。


であるならば、基本的に貯金をドルで保有しておく、ということも現実的に考えられるようになってきます。


ドルで保有しておき、スーパーやコンビニで支払いの際に、円転し、決済を行う。決済の前にマニュアル操作をして円転しても良いと思いますし、決済口座をドル口座にしておき、決済時に自動的に円転されるようにアプリ側で対応しても良いと思います。

とにかくドルで持っていても面倒が生じない生活ができるようになるはずです。現時点ではアプリ側が対応していませんが、これも時間の問題だと思います。

こうなると、ドルで持っていてたほうが安全だということに気がついた人たちを始めとして、円離れが進んでゆくでしょう。つまり、キャッシュレス経済は、

強い通貨は益々強くなり、弱い通貨は益々弱くなる傾向を進ませる性質がある

ということです。

国レベルで見ると、日本は特に気をつけて、早く手を売っていかないといけないとおもいます。

消費者レベルで見ると、ドルで持っておいたほうが安全と言えそうですね。アプリが対応してくれれば、生活も不自由しなくなるでしょう。

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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