やらなかった新規事業アイデア: 投資家向け「風が吹けば桶屋が儲かる」金融情報サービス
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こんにちは。DX顧問サービスの林です。今回は事業アイデアを書いてみたいと思います。結局プロダクトを開発しませんでしたので、笑いながら読んで頂けたら幸いです。
風が吹けば桶屋が儲かる夢のようなサービス
このサービスは機関投資家向けに販売する金融情報サービスです。
なんらかのニュースが発生したら、そのニュースにより影響が出る「何か」を教えてくれるものです。因果関係を教えてくれるものですね。因果関係データベースです。
人間は、因果関係が1個だと想像しやすいものです。例えば以下の様のものです。
コロナ禍になれば実店舗の営業利益が下がる
マスクををつける人が多くなれば口紅を始めとした化粧品会社の営業利益は下がる
一方、この因果関係は基本的には連鎖し、あちこちに伝播してゆくはずです。こうなると何かきっかけになることが起こると、どの要素に最終的に影響が及ぶかということまで流石に人間には想像できないでしょう。
でもこれがもし分かれば、あるニュースをきっかけにいちはやく、その影響が及ぶ産業や会社が分かるはずです。しかもそれらは他の投資家には想像できないようなものです。例えば
天候・原油・天然原料など自然に関わるものの変化から、影響のある産業・商品を割り当てる
iphoneなど製品の売れ行き予測から、構成する部品の販売変化を割り当てる
と言ったことが可能になります。
やらなかった理由
この事業をしなかった理由は
初期開発も運用も、高コスト・高負荷
顧客ターゲットの数が少ないために、費用が高いサービスになってしまう
からでした。まず一点目から。
1点目: 初期開発も、運用も、高コスト・高負荷
基本的にプロダクトを開発する時って、たいていいわゆる「重い」箇所が1つはあるものです。重い箇所とは
初期開発が技術的に難易度が高いか、開発量が大きい
運用してゆく上で、そもそも完璧に動かすことができず、エラーが日常的に発生し、対応が大変
というものです。新規事業に取り組む際に、こういうのが1つもないサービスなら、恵まれています。
さてこのサービスですが、この重い箇所がなんと6つあります。
これはしんどい。。。
2点目: 顧客ターゲットの数が少ないために、費用が高いサービスになってしまう
重い箇所が6つもあるということは、それだけ高コストになるということです。高コストになるということは、顧客数を多くしない限り、採算を取るためには費用が高いサービスになってしまうということです。
ところが、この事業、顧客ターゲットは機関投資家になるのです。
機関投資家はどれくらいいるのか?こちらによると2020年11月30日時点では合計291となっています。
ということは顧客ターゲットの数がたったの291法人しかいないということです。
10%の会社に導入頂いたとしても約30社です。こうなると、費用は高くせざるを得ないでしょう。ということは、
それだけ営業コストも高くなる、つまり、導入が難しくなる
ということです。つまり、
作るのも売るのもすごく大変な事業
ということです。新規事業はどんなものであっても、予想だにしないトラブル・失敗・困難が頻発します。それなのに、想定できる所だけでも高負荷であることがわかってしまうと、参入しにくてリスクが高い事業なのだということになります。これで参入するのを辞めました。
具体的にどう作るのが大変なのか
先程大変なポイントとして、①プロダクトの開発運用が大変、②売るのも大変書きました。売るのは営業スキルの問題もあるので、ここで開発・運用がどう大変かだけ考えてみたいと思います。負荷の高い箇所としては
大量の記事を定期的・短期的に自動取得しなくていはいけない
これらの文字を理解して、因果関係を作らなくてはいけない
連鎖的に因果関係を作るために表記ゆれに対応しなくてはいけない
という所です。これらは初期開発するのが大変です。ただ、運用面でも特に1は頻繁に取得失敗が起こり得るので、その時の、平時対応や異常対応も必要になります。2点目についても、文字を理解するシステムを作るのは、とても大変です。負荷の高い開発になります。3点目の表記ゆれですが、因果関係の原因・結果どちらについても、漢字、カタカナ、ひらがな色々表記の方法があるはずで、これらを同一のものと認識する対応が必要になります。これもまた大変です。
というわけで、開発面だけ見ても、とっても大変なプロダクトだと分かったのでした。新規事業は小さく始めることがとても重要ですが、この事業は小さく始めることはできないでしょう。
では!