KPI導入の実務

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はじめに

今回はKPIの実務について説明してみました。この記事を最後まで読んで頂くと、KPIの導入はかなり大変だな、という印象を持たれるかも知れませんが、決して「辞めておきましょう!」と言いたいのではないです。組織内での事業成長への意識の向上を図ることができることができるようになります。大変さに対して余りあるほどの恩恵を享受できるようになります。


実態のないKPI

今は以前よりも色んな会社の方が、「KPI!KPI!」というようになったように思います。でも、ゲーム会社、クラウドサービス等、サービスとしてソフトウェアを提供している会社を除いては、実際に運用している、という話はあまり聞きません。


本屋さんやアマゾンに行ってもKPIに関する本は、もう、沢山並んでいます。一方なぜか、KPIの実務に根ざした本は見かけません。KPIの本を見たことがありますか?わたしは何冊か見たことがありますが、やはり「抽象的」な話に留まっています。具体性があまりありません。

でもこれは無理のない話で、業種が変われば見るKPIが変わりますし、データの取得方法も変わります。なので広くKPIの本を書こうとすると、具体性を持たせようが無いっていうことなんだと思います。

なので、この記事では、KPIの本では語られない、KPI導入の実務について、少しだけ「具体的」にお話しようと思います。今回は、上のような、ソフトウェアを提供している会社以外の会社を対象とします。みなさんの会社の環境と照らし合わせながら、読み進めてみてもらえればと思います。


前提

前提ですが、以下の2つを置いておきます。

  • 自社サービスとして、ソフトウェアを開発していない会社

  • 可能な限り開発をしない

1点目は先程書いたとおりです。2点目は、なぜかと言うと、開発をするのであれば、そりゃだいたいのことはできます。でもそうなると開発費用もかかるし、運用が必要になってきます。トラブルが発生した際には対応も必要になります。つまり初期も運用もコストがかかるってことです。なのでなるべく開発しない方向で、ということにしておきます。


KPI管理の導入は、泥臭い仕事

KPI管理の導入は、「言う」は美しいですが、「やる」ははっきり言って汚い仕事です。わたしはDX顧問サービスでKPIの導入の支援もさせて頂いていて、とても楽しいですが、好きでないと出来ない仕事だと思っています。では順番にみてゆきましょう。


どこから取るか

KPIはどんな中身であっても、「取得元」と「出力先」の2つが必ずあります。「取得元」は更に、データベースなどの内部データと、クラウドサービスなどのデータで外部データの2つに大別できます。

ただ、今回対象となる会社さんのうちの殆どは自社データベースは持っていないでしょうから、実質KPIはクラウドサービスからのデータ、と言っていいでしょう。ここでいうクラウドサービスは、マーケティングデータ、つまり twitter, instagram, facebook, や、ECサイトであればshopify、その他業務サービスであれば、SmartHRのようなものが該当します。


どこに出すか

次に出力先です。出力先はBIという可視化を専門的に行うツールでも良いのですが、最近はkintoneやデスクネッツネオ、office365などと言ったグループウェアで、独自にアプリケーションを作れるようになっています。なので、BIよりも、これらのグループウェアが良いでしょう。何よりBIのようなものを導入すると、それ単独で見に行かないといけなくなります。そのため、せっかく苦労して導入しても、社員の皆さんが全く見てくれないということが起こったりします。そうなると導入の意味がないので、普段から利用しているサービスで可視化を行うのが良いでしょう。


どうやって出すか

ここからが本番です。どうやって出すか。これが本当に大変です。大きく2つに大別できます。1つはAPIを使うもの。もう一つはロボットを作るものです。どちらも茨の道です。今回はAPIを使うもののみを紹介します。APIとは、画面を介さずに、データを取得したり登録したりできるようなものだと思って頂ければそれで十分です。まずはデータを取得します。APIを使って取得を行います。

APIを使ってデータを取得するには通常、開発が必要になります。でも開発はなるべくしない、という前提です。ではどうやって取得するか?これには、「クラウドサービスのAPIをGoogleスプレッドシートに出力してくれるクラウドサービス」を利用します。なんか早口言葉みたいですがふざけてません笑大真面目です。このサービスをここでは「API出力サービス」と名付けます。日本にはこんなサービスはないので、海外のサービスを使います。

はい、ゴールはGoogleスプレッドシートじゃないです。ゴールはあくまでも、グループウェア上のアプリです。便利なことに、さきほどご紹介したデスクネッツやkintoneには、登録用のAPIというものが存在しています。なので、

ということになりますね。

ただ、このままでは登録する処理がないので、登録は起こりません。なので、上の図の「Googleスプレッドシート」と「グループウェアに登録」の間に、登録してくれるモノを入れないといけません。

ここでは、「Googleスプレッドシートでデータが更新されたら、グループウェアの登録用APIを実行して登録をしてくれるサービス」を使います。「API登録サービス」と名付けます。

このサービスを使うことで、開発をせずに、グループウェアに登録を行ってくれる様になります。

以上でマーケティングデータや人事データなど、様々なデータが一元的に可視化できるようになりました。当たり前のことですが、これら一連の処理は定期的に実行されるものでないといけません。設定することで、もちろん定期実行可能です。

となります。これで、社員の皆様が朝、グループウェアを開くと、様々なKPIが表示されるようになりました。手順としては割と大変なことになってますが、それでも全て開発した場合に比べれば、超安定的に、超低コストで運用できます。

それでも、かなりめんどくさいように見えますね。ただ、くりかえしになりますが、めんどくさいから辞めましょうー!と言いたいのではないです。

これをやることで、例えばマーケティングデータであれば、組織内の意識がよりお客様に向いたり、コストであれば、よりコスト意識が高まるようになります。導入の大変さに対して、余りあるほどの恩恵を享受できるようになります。

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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