プライシングの専門家が説明する、岸田政権のリスク管理の間違い
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はじめに
岸田総理大臣がオミクロン株について、外国人の新規入国を原則、水際措置として停止しています。2022年初めまでは継続する、とのことでした。これ自体も賛否両論ありますよね、きっと。
でも今回のスコープはここではないです。
岸田総理はリスクに対する考え方が基本的に間違っています。
岸田さんは「常に最悪を想定した危機管理を行う」と仰っています。
私は大昔、会社勤めをしていた頃、証券会社のリスク統括部という部署に所属していました。証券会社は他業種と比べると、リスク管理については一日の長があるように思います。なので、リスクに関しては少しではありますが、お話できるレベルには理解出来ていると思っています。
リスク管理とは何か?
リスク管理とは、具体的に何を意味するんでしょうか?いきなり結論を言ってしまいますが、リスク管理とは、
リスクを最小化しながら、便益を最大化することです。
この前半の「リスクを最小化」というところがポイントです。リスクをゼロにはしないんです。でも、リスクなんてゼロのほうが良いですよね?
リスクをゼロにするのはできるの?ということですが、これ、
出来るんです。
簡単です。便益をゼロにしたらいいんです。これは至る所で見られる現象です。例えば次のような感じです。
例1
企業がインターネットを使う以上、不正に侵入される恐れがあります。このリスクをゼロにしたければ、簡単です。インターネットに接続しなければいいんです。
例2
携帯電話を使う以上、盗難にあい、不正に利用される可能性があります。このリスクをゼロにするにはどうしたらいいか?簡単です。携帯電話を持たなければ良いんです。
これでリスクはほぼ完全にゼロになります。イェーイ!
これでいいのか?
でも、待って下さい。これ嬉しくないですよね?これでは、メールも出来ず仕事になりませんよね?そして携帯電話を持たなければ、日常生活でyoutubeもnetflixも見れず、幸福度は下がりますよね?
これがリスクをゼロにしてはいけない理由です。リスクをゼロにすると、便益が消えるんです。便益が消えるのは皆さん嫌だと思います。
なのでしょうがなく「リスク」を「管理する」という概念が必要になってくるんです。便益を受け取りながらもリスクを可能な限り低く保つように管理するわけです。
例1で言えば、サイバーセキュリティ(ファイヤーウォール)というものを導入するわけですね。例2であれば、強固なパスワードを設定する、指紋認証を設定するなどの対応になるわけです。そうすることにより、リスクを抑えながら、企業はメールやクラウドサービスが使える、という「便益」を得られるわけだし、スマホで友人との連絡はもちろん、動画サービスを見るなどの「便益」をゲットできるわけです。
そして、リスク管理をする際には、まず「取れるリスクの種類とその大きさ」を数値的に決めます。これがなければ、無駄にビビってしまうことになるからです。先程の例で言えば、不正侵入はほぼ防げるようになりますが、フィッシングメールを防ぐことは出来ません。誰もおおっぴらには言いませんし、社内でも高らかに言うと批判を浴びると思いますが、このケースの場合「フィッシングメールを受信してしまうリスクは受け入れる」というコンセプトになるわけです。
例2で言えば、認証を破られたら終わりです。明示はしていないものの、暗黙的にこのリスクは受け入れているわけです。
そしてリスクの大きさも、被害額という形で算出できます(厳密には確率と被害額を掛け算し、期待値というもので議論しますが、まぁあんまり気にしなくて良いです)。これが第一ステップです。そしてこの受け入れられるリスクを「リスクアペタイト」と言います。
この受け入れられるリスク=リスクアペタイトを決めた後に、便益を最大化するように対策を立てるのが「リスク管理」というわけですね。
最後に
リスク管理は、企業や家庭でも利用できる概念です。リスクの数値化は出来ないかもしれませんが、そのコンセプトは利用できるはずです。リスクをゼロにせず、受け入れられるリスクを明らかにしながら、受けられる便益を最大にする。これがリスク管理です。参考にして下さいー。
そして、この記事が届いてほしい!岸田さんに。