経営者向け:プライシングの専門家が教える、DX時代における、自社商品は高い?安い?の一発チェック方法

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1.「長引くデフレ」

「印刷業界はもうあかんわ、そもそもデフレやし」

これは、私の母の言葉です。印刷屋を父と二人三脚やっていたのですが、廃業してしまいました。一時は大阪では有名な印刷屋でした。

長引くデフレで、自社の値段はあげられない、と経営者の皆さんよくおっしゃいます。でも待って下さい。一度自社商品の値段、改めて考えてみて下さい。値上げの余地はあるかもしれませんよ?これもDX顧問の仕事の一部です。


2.自社商品は高い?安い?

どの会社さんもどの経営者さんも、なるべく自社の商品を高く売りたい、というのに異論はないと思います。そりゃそうです。ただ、高すぎるとお客さんは離れる。

お客さんを増やすのは簡単、値段を下げればいい。ただそうすると、もうからない・・・・。

では、いくらだったら妥当なのか?そう思いますよね?

実はこれ、プライシングという分野で、正解がいないんです。というか色んな考え方があって、それこそ分厚い本も売られているような、そんな分野です。


例としては、コストから利益率をかんがみて、価格を出す。これが最も一般的ですよね。他にも、買い手に代替手段がどの程度あるのかに応じて価格を出す、競合の多さにより価格を出す、需要と供給に基づいて価格を出すなど、様々な方法があります。

あまり小難しいことをしようとすると、実務的に応用できなくなってしまうとおもいます。すぐにできる、簡単にできる、こういうのが経営者の方には必要です。

そこで!

自社の値段の妥当性を考えられる方法をご紹介します。名付けて、「カンニングプライシング!」

DX顧問の林は、起業前は、プライシングの仕事をしていました。御参考頂けますと幸いです。


3.算出方法

では、具体的な算出方法を出します。すっごく簡単です。

①その業界で最も有名な商品なりサービスを選ぶ。

②過去、そのサービスの値段を思い出す。覚えていなければ、調べる

③過去の各ポイントと現在で、税別で

(自社のサービス・商品の値段) / (選んだサービス・商品の値段)

④これを、過去の1点と現在で最低2点で行う。できれば複数あればなおよし。


例として、飲食業で考えます。私の自宅近所にあるラーメン屋さんを例に上げて考えてみます。


飲食業なので、「①業界で最も有名な商品なりサービス」は、マクドナルドのハンバーガーにしましょう。ここでのポイントは、なるべく大きい会社の商品を選ぶことです。理由は次の章で説明します。

さて、「②過去の値段」です。

マクドナルドのハンバーガーは、

1998年: 税別130円 税込み136円(消費税率5%)

2000年: 税別65円 税込み68円(消費税率5%)

2002年: 税別59円 税込み61円(消費税率5%)

2003年: 税別80円 税込み84円(消費税率5%)

2005年: 税別95円 税込み100円(消費税率5%)

2013年: 税別114円 税込み120円(消費税率5%)

2014年: 税別92円 税込み100円(消費税率8%)

2019年から現在: 税別100円 税込110円(消費税率10%)

です(年ベースで考えたいため、一部削除している期間もあります。)。

一方そのラーメン屋さんは、ネットの書き込みでは、2007年のものしかありませんでした。ただ、1998年にも私は通っていたので、当時の記憶も含めて、2007の頃と変わっていないとします。つまり、

1998年:税別571円 税込み600円(消費税率5%)

2000年:税別571円 税込み600円(消費税率5%)

2002年:税別571円 税込み600円(消費税率5%)

2016年から現在:税別619円 税込み650円(消費税率5%)

最後に、③と④を行います。③は

「(自社のサービス・商品の値段) / (選んだサービス・商品の値段)」

です。④は全ての時点でこれを行う、ですね。はい簡単。

④で税別にしたのは、税率の影響で、時点間で数値が動くのを避けたかったからです。


そしてこれを図示したのが、こちらです。

地元のラーメン屋さんのラーメンの価格をマクドナルドのハンバーガーの価格で割ったものです。

でここから先がもともとの目的です。値が下がっていれば、自社の商品が安すぎないか考えみた方が良い、ということです。逆に値が高くなってきていれば、自社の商品は高くしすぎている可能性があります。これでだいたい、判断できます。


この図では、直近は6.19ですね。ただ、2016年から2018年までは6.72でした。ならば、6.5ぐらいまでは値上げしても良いかもしれません。一方2005年から2012年までは、6.01で長期間推移していたことを考えると、6.19は少し割高、ということもできます。この辺はまさしく判断が分かれるところと思います。私であれば、6.5ぐらいまでの値上げを検討します。6.5ということは、マクドナルドのハンバーガーが、現在税別100円なので、ラーメンの価格は税別650円、税込715円ですね。最近のラーメン屋さんの値段としては、妥当じゃないかと思います。例で上げたラーメン屋さんは、現在税込650円なので、つまり割安な価格設定になっているのではないかな、と私は思います。


蛇足かもしれませんが、値が高いのにきちんとお客様がきていて、売上が十分に立っていれば、わざわざ下げる必要はないと思います。これはこれでOK。

もし値が低いのであれば、「価格は上げる余地がある可能性がある」となります。


最初に言いましたが、価格設定は、他にも本当にいろいろな方法があります。様々な点から考察すべきだし、それだけで本一冊になります。


ただ、経営者がサクッと自社の価格設定の是々非々を確かめられる、極めて有効な手段だと思います。


4.実はめっちゃ使えます、カンニングプライシング

実はこれ、めっちゃ使えます。相対価格で考えれば良いので、基準にする商品が、最近はやっているダイナミックプライシングをやっているとします。季節性や時間帯を織り込んで価格設定をするやつですね。

この場合も、その変遷する価格を調べて、相対価格が一定になるように価格設定をすればよいのです。そうすれば、複雑なプログラムやロジックを組まなくても、あら不思議、ダイナミックプライシングを取り入れることが出来ます。

ただ、くれぐれも、似た事業・業種を基準に選んでくださいね。でないとおかしなことになってしまいます笑

このやり方には、きちんと理論的な背景もありますが、とくに気にする必要はありません。

ただ、一応、理論的な背景を次の章で説明しておきます。興味ない方は是非読み飛ばして下さい。知らなくても全く問題ありません。


5.背景

DX顧問の担当者である林は以前は金融機関で価格付けの定量分析の仕事をしていました。

あるモノに、値段をつけるときって、実は、金額そのものでは考えません。基準となる何かを決めて、各時点各時点でその基準に対する相対価値を計算して、この相対的な価値をベースに考えます。この基準のことを、ニューメレール、あるいは基準の財産という意味で基準財といいます。通常であれば、この基準財は銀行の預金など、リスク無しで増えるものにします。


上の例では、この基準財にマクドナルドのハンバーガーの値段を設定した、というわけです。ではなぜ金額そのものじゃなくて、相対的な価値で考える必要があるのでしょうか?

具体例でいいます。1年前に100円だった商品が、1年後の今日110円だった。これは値上がりしたと言えるでしょうか?もし価格だけで考えていたら、

100 < 110

なので、値上がりしていますよね?

しかし本当にそうでしょうか?極端ではありますが、10%のインフレが起こっていたら、どうでしょうか?値段は変わっていないように見えますよね?

これがつまり、価格ではなく、相対価値で考えている、ということです。


複数の時点で物の値段を考える時は、この様に価格ではなく相対価値で考えなくてはいけません。


但し、基準財となるものはなるべく①自社の商品と近い種類、②大手の商品が望ましいです。

①自社の商品と近い種類

これはなぜかというと、日本は長引く不況にあえいでいますが、それでも業界によっては業界特有のインフレ・デフレが発生している可能性があるからです。


今回の例ではラーメン屋さんであったので、であれば、飲食業、ということになります。飲食業は肌感としてここ数年間は値段が上がっている印象がありますが、一方アパレルなどの場合は、デフレが進んでいる印象があります。よって基準財は、他業種ではなく、同業種のものを選びましょう。


②大手の商品

これは、「価格設定がより理論的になされていると考えられるから」です。ミスプライシングと言って、間違った価格設定がされている可能性が低いからですね。

※実際には、価格を価格で割った相対価格ではなく、価格の差を価格の差でわった相対価格で計算しますが、説明が複雑になりすぎるので割愛しました。


6.最後に

自社の価格設定を簡単に確かめられる方法を紹介しました。多大な時間とコストを掛けて価格設定をすることは、大手以外には難しいでしょう。ただ、その「多大な時間とコストを掛けて構築された大手の価格設定」をカンニングして、適切な価格設定をサクッとできる方法だと思います。素晴らしいカンニングだと思います。

DX顧問サービスでは、一般的なITの御支援、例えばツールの選定や業務効率化の提案はもちろん、このようなデータ分析や、データベースの分析も支援致します。林が担当致します。

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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