行列に並ぶコストから分かる、人材と業務のミスマッチの損失

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1.並びますか?

最近、例えば飲食店などに入るために、並んだりしました?行列に並んでようやくテーブルに座れて、頼んだものが来た時の嬉しさとったら、表現できないですよね。そして、美味しい!

この時の幸せな気持ちと言ったら、

プライスレス!

ですよね。

でもこれ、DXという立場に立つと、実際にはいったいいくら払っているのでしょうか?計算してみることってできるんでしょうか?

やってみましょう。

これによって社内にDXを根付かせる上での「考える」というプロセスの練習になります。


2.前提1

コスト計算をするときの前提として、なるべく費用は抑えられるように、また、儲けは最大化できるように、誰でも可能な限り行動する、としておきましょう。

これはなぜかというと、「いや、行列に並ぶコストなんて気にしなくていいじゃない」という前提での反論だと、議論ができないからです。

ではこの前提で、考えてみます。


3.前提2

この飲食店で食事はする、としておきましょう。でないと、食事をしなければ良い、あるいはもっと安いお店で食べれば良い。という反論がありえます。食事しなければ、それはもちろん費用は少ないですし、もっと安いお店で食べれば、費用は少ないです。ただ、今回は行列に必要なコストを問うていますので、この前提でお話させて下さい。


4.行列のコスト

行列に一時間並んだとします。そして、食事代が1000円だったとしましょう。

この場合、費用を最小化しようとする、あるいは儲けを最大化して進めようとすると、自分が並ぶのではなくて、お金を払ってヒトに並んでもらい、その間仕事をしてお金を稼ごうとするはずです。

並んでもらえる人の時給が1000円だとしましょう。一方主人公の時給が3000円ぐらいだとします。

今回前提では、1時間並びます。時給が1000円なので、1000円払わないといけませんね。

一方、並んで頂いている時間は、仕事をしてお金を稼ごうとするはずなので、3000円のお金が入ってきます。

まとめると、自分で並んだ場合は、食事代だけなので、

自分で並んだ場合

食事代: -1000円

合計: -1000円

並んでもらった場合

並んでもらった報酬: -1000円 

食事代:- 1000円

稼いだお金: 3000円

合計: 1000円


この差額が、行列に並んだために支払った価格、ということになるので、

1000 - (-1000) = 2000円


ということになりますね。つまり行列には2000円払っているということになります。別の言い方をすると、一見1000円に見えるこの食事ですが、実際には3000円払っている、ということになります。

逆にいうと、同じ飲食店で食べるという行動でも、後者は前者に比べて、2000円儲かっているのです。


5.実際には払っていない?

「いや、食事を食べたことによって1000円払っているけれども、財布からは行列に並んだ分の2000円は出ていない!実際には1000円しか出費がない」

一見こういう風にも見えます。

しかし前提1の通り、最も儲けられるように、という前提があります。であれば、最も儲けられるのは、後者の代わりに並んでもらうケースであり、その場合との比較でいうと、2000円損しています。


6.あの美味しさはお金に変えられない?

間違いないです。並んでまで食べたくなるもの、人によってはあると思います。それを否定するものではありません。ただ、並んで食べた場合、実際にはこれだけ払っていますよ、という話です。それだけ払ってまで食べるなんてけしからん!という話ではなくて、正確な値付けをした、ということです。

そして正確には、コストとしては実質3000円払っているわけです。であれば、美味しいのは美味しいとは思いますが、もし、他の同価値のランチ候補として比較するならば、

並ばなくても食べられる1000円の同じ種類の食べ物

ではなくて、

並ばなくて食べられる3000円のランチコース

と比較すべきですね。

こうなってくると、ん、ん?うーん、ってなってきますよね。

わたしなら、他に行きたくなる所が出てきます。


7.人材と業務内容のミスマッチをDX脳で是正する

飲食店の行列として面白おかしく話しましたが、本質として何をお伝えしたかったかというと、これは

「人材と業務内容のミスマッチには損失が発生していて、これを是正するためにはDX脳が必要だし、是正によって、利益が上がる」

ということです。

会社でも、ある分野でパフォーマンスが上がる人なのに、事務量が負担になっていたり、逆にパフォーマンスの上がらない業務をさせられていたり、ということがあると思います。こういう社内の状況でも、なんとなーく見ているだけだと、変えることもできないでしょう。これが「非DX脳」です。

でもこの行列の例みたいに、人材のパフォーマンスを数値化してみてはどうか、と。

会社としての業務と人材のミスマッチは、金額として大きな損失になっていると思います。DX化というのは、システム化する、というだけではなくて、意識改革でもあるわけです。

存在する人材のパフォーマンスを数字に計上して、「可視化」を行うと、途端にコストが顕在化し、議論が発生するはずです。何事も可視化すると、脳が働くというわけです。

今回の話でいうと実際に「システム化」して可視化されているわけではありません。一方「頭」の中で数値として可視化を行うだけでも、十分にこの様な議論ができるようになるわけです。

こうやって可視化できれば、是正に向けて行動に移すことが出来るようになります。是正によって、コストの最小化とリターンの最大化を図る事ができるようになります。何より社員の皆さんのやりがいも増えるはずです。


8.最後に

普段身近に経験することをきっかけにして、DXによる改善を説明しました。これは何かツールを入れる、ということではないです。でも、以前DXに必要な人材に関する下の記事でも説明したとおり、DXによるプロセスの中には「考える」という、人間によるプロセスも含まれています。

過去記事: 経営者が知っておきたい、DX化で必要となる人材

なぜならば、可視化された現状の問題に対してその後に対策を練るのは人間しかできないからです。そのため考える力を養わなくてはいけないのです。

こちらでもつぶやいております。DX改革はまず人からということですね。

DX脳を養うということことも、DX化による変革の一部です。

林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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