顧客獲得コスト(CAC)

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顧客獲得コストとは?

顧客獲得コストとは、1顧客を獲得するために必要なコストです。顧客獲得コストは、CAC(Customer Acquisition Cost、カスタマーアクイジションコスト)と一般的に呼ばれます。

この指標は顧客対象が法人でも個人でも利用されます。ソーシャルメディア、検索エンジン、コンテンツマーケティング、オフラインでの広告、営業、展示会など、オンラインでもオフラインでも、顧客を新規に獲得するためのチャネル全てのコストを対象とします。

業種に関わらず、顧客獲得コストの正確な把握は、極めて重要です。

売り切り型の事業の場合

売り切り型のサービスの場合は、一度売ることで売上がもたらされるため、利益の管理が単純です。例えば100万円の売り切り型のサービスの顧客獲得コストが30万円であれば、

100万円 - 30万円 = 70万円

が粗利となります。売ったタイミングで上記の式が成り立つので、わかりやすいといえるでしょう。

売り切り型の顧客獲得コストの計算で難しいのはデータの集積にあります。恐らくこの計算をKPIに持ちたい会社さんは、toCビジネス(一般消費者向け)がほとんどだと思います。

その場合、計算式(本ページ最下部にあります)の分子である営業コストやマーケティングコストはデータ化されていることが多い一方、新規顧客数は、店舗など、業種によってはデータ取得が難しく、また新規顧客数とリピータの判別が出来ないこともあります。

データ取得については、ケースバイケースで対策が必要になります(ご相談あればお問い合わせ下さい)。一方新規顧客数については、前月や昨年同月よりも増えた顧客数などの一定の前提を置くことで顧客獲得コストの算出を行います。


SaaSなどの月額課金型の場合

それに対して、SaaSに代表される月額課金型の場合ではどうでしょうか?月額課金型の場合では、売り切り型と比較して、以下の様な特色があります。

  1. 継続的に課金される

  2. 解約出来る

特に2については、いつ解約されるのかは不明です。ということは、例えば月額2万円のサービスに対して、顧客獲得コストが30万円であり、契約後12ヶ月で顧客が解約してしまうと、

24万円 - 30万円 = -6万円

となり、赤字になってしまうということになります。これでは企業は成長できません。つまりSaaSビジネスの場合には、

顧客からの解約が発生しうる事を鑑みた上で、それでも利益を出していくように顧客獲得コストを管理してゆく

必要がある、ということになります。前者の、「顧客からの解約が発生しうる事を鑑みる」ということは、具体的には顧客の、解約までの平均的な課金額を管理する、ということになります。これは、顧客生涯価値(LTV、LifeTime Value)と呼ばれています(LTVについては、こちら)。

そして、後者の「それでも利益を出していくように顧客獲得コストを管理してゆく」とは具体的にどういう事を指すのでしょうか?これは、顧客生涯価値と顧客獲得コストの比率で管理します。

運営上、顧客獲得コストに加えて、地代家賃、管理費用、サーバー代金など、様々なものが費用としてかかります。そのため、

顧客生涯価値 / 顧客獲得コスト >= 4

が望ましいでしょう。つまり

LTV / CAC >= 4

となります。

逆にこの数値が低く、例えば1付近であるようであれば、以下の施策を打つことになります。

  1. 顧客生涯価値を上げる。つまり、プロダクトマーケットフィットが出来ていない可能性があるため、より顧客の課題に解決するサービスとなるように調査・開発を行う。

  2. 顧客獲得コストを下げる。つまり、より低いコストで顧客が獲得できるようなチャネルや方法を模索する。


計算方法

顧客獲得コストは以下の方法で算出します。

顧客獲得コスト(CAC) = (全営業コスト + 全マーケティングコスト) / 新規顧客数


林 高行

株式会社ヴィクセス代表取締役。東京工業大学大学院を修了後、シティバンク、エヌ、エイを経てみずほ証券にてリスク統括部にて金融派生商品の定量分析業務に従事。2012年にヴィクセスを設立。以降IT, ファイナンス領域で顧客を支援。

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